ホームシアターインストーラーの仕事184~リフォームとホームシアター③
リフォームとホームシアターのお部屋の仕上げ工事となります。壁面は通常のビニルクロス仕上げの為、残響が多く音の明瞭さ、音圧を感じる迫力に欠ける傾向にあります。また、対面するフラットな壁によりフラッターエコーも発生しています。これらの対処として一番手軽なのは後付吸音パネル。不必要な響きを退治して適正な響きを得る事が出来ます。もちろん、設計段階からこのパネルの設置も織り込み済みです。使用するのはサウンドスフィア。数ある吸音パネルの中でも安価で扱いやすく効果も抜群。様々なタイプがありますがスタンダードな1,350x450mmのタイプを4セット/8枚使用しました。カラーはブラウン。壁紙の色にぴったりです。
基本的に響きが多すぎると<音が明瞭に聴こえない>、<ノイズが発生しやすい>、<音量が上げられない>、<迫力が出ない>、<定位感が無くなる>等。逆に響きが少なすぎると<音に艶が無くなる>、<音圧が感じられない>等、の影響が出ます。ホームシアターやオーディオ視聴には丁度良い響きがありますのでそれに向かって調整をします。フラッターエコーを抑え込む事を優先して一番効果的な場所に設置をしていくと意匠的に散漫な感じになるので、見た目のバランスもとりながら効果的な場所を探していきます。吸音が進むと今まで残響に隠れていたフラッターエコーが顔を出してきたりと、もぐらたたきのような感じです。
全て貼り終えてから一旦外して、オーナー様にサウンドスフィアのあり、なしを比べて頂きました。映画を視聴するまでもなく、私の話声の響き方が大きく違うのがお分かりになったようで。「こんなにも違うの??」という感じです。気にしなければ気にならない事かもしれませんが、折角高価なシステムを導入しているのにお部屋の響きで性能が発揮されないなんてもったいないですよね。最近話題のアトモスなども定位感が不明瞭だと効果も半減してしまいます。お部屋の響きの違いを分かりやすく体感するには、お家のリビングとお風呂場と寝室(ベッドなり布団がある状態)を行き来して「あーあーあー」と声を出してみて下さい。響きの違いが体感できると思います。
一般的には寝室が一番響きが少なく、声もはっきりと聴こえると思います。大雑把な言い方ですが、寝室位の響きがホームシアターには適しています。その状態を造るには吸音面を多く、反射面を少なくする必要があります。手軽に吸音するには上記のような後付、吸音パネルが使い易いです。
これで全ての作業が終わり完成となります。オーナ様これから大好きな映画や音楽を思う存分楽しんで下さい。ありがとうございました。
ホームシアター工房
田中雅史
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