ホームシアターインストーラーの仕事135~9.2chシアター&調音&BGMシステム③
シアター&BGMシステムのお家。地下のシアタールームにて調音工事を行って来ました。4.4x2.9m、天井高2.5mのお部屋。天井、壁面は石膏ボードにビニルクロス、床はカーペット。後は大きな革張りのソファー。吸音する面積が少なく、残響はかなり長め。平行する反射面があるのでフラッターエコーも出やすい状況。残響の現状とベストポイントまで落とした場合をシミュレーションすると、オトピタを40枚貼らないとダメみたい。う~ん…40枚も貼れるのか??ただ貼るのではなくて、フラッターエコーを軽減して、視聴位置によるバラツキを無くしてかつ、デザイン的にもカッコ良く見せたい!を目標に・・・いざ!!
オトピタ設置前に音響チェックをしていると63ヘルツの音を鳴らした時にどこからかガラガラガラガラガラガラ…とノイズが。同じようなノイズの原因で埋込ウーファーの使っていないスピーカーターミナルが緩んでいた事がありましたが、今回は換気扇のフタでした。対策をして一件落着です。
そうそう、昔、子供さんがスピーカーのバスレフポートにミニカーを詰め込んで取れなくなり、低音が出る度にガラガラとレースしてるんです・・・と言う事例もあったなあ・・・
出っ張りの大きな方がオトピタ02(中低域吸音タイプ)、薄い方がオトピタ01(高域吸音タイプ)。よく見ると微妙に貼る高さを違えてるのがわかります。
耳は響きの長い短いで空間の広さを感じ取ります。映画はシーンによって空間の広さが変わりますがそれに合わせて響きを変えて空間の演出をしています。その微妙な演出を意図する通り聞き取るには部屋自体が響き過ぎていたり、ノイズがあったり、響きがイビツだったりすると変化の薄いノッペリとした印象で終わってしまいます。もちろん映画にもよりますがダイナミックな演出(派手な映画と言う意味ではないですよ~)を楽しむのであればやはり適切な響きの部屋が必要になります。映画を映画らしく楽しむには大事なところなんですよ。
壁の色とのマッチングもイイですね~。
完成後いつも再生するディスクがありますが、聴音された部屋はボリュームをかなり上げて聴く事が出来ます。聴音されていないと低域が飽和してしまい気持ちのいい音にならないです。今回はもちろんいい仕上がり!話す声も聴き取り易くなってます、と言う事はセリフも聴き取り易くなってると言う事ですよね。
オトピタの数、数えてみて下さい、40枚貼っているでしょう。作業時間3hなり。
今回は
・オトピタ01(4枚入)x7セット
・オトピタ02(2枚入)x6セット
使用しました。
グラフの青が調音前のシミュレーション。1k~4kの残響が短いのはカーペットの吸音が効いているからです。緑色/ライブがオーディオに、紫/デッドがホームシアターに適したラインです。オトピタ施工によって赤/調音後のラインまで調音する事が出来ています。250~500Hzをもう少し吸音したいところですが 高域用のオトピタを減らすとフラッターエコーを止めにくくなる為、バランスをとって落としどころを決めました。施工前に比べるとかなり調音されています。音が明瞭になり適度な響きが艶となります。部屋の響きの大切さがわかりますよ。
*結果は実測ではありません。データを元にしたシミュレーションです。
専用ルームだからこそ出来る事でもあるかと思います。シアター予算の内少しでも聴音に割いてもらえたら大好きな映画が生き生きとした音で楽しめる事でしょう。
これで
シアタールームの完成です!!
なかなか 他にない
素敵なオリジナルなシアタールームになりました。
ホームシアター工房 大阪
田中雅史
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